漫画日記

背中にかけられた実母の言葉

都内の築40年2世帯住宅でオットと2人暮らし、日常キリトリ漫画を描いてます。

背中にかけられた言葉

父の四十九日を終えしばらく経ったころの話です。

母とのメッセージの会話中、母の食事量がいつもより少ないことが発覚。
「これまで食べすぎてたから」
食欲が人一倍強かったのにと違和感を感じつつ、元気で過ごすために体調を整えるためかも、とその場を終えました。

そして普段の日常を過ごしつつ、たまに実家に寄りごはんをいっしょに食べる生活を送っていました。

ある日実家に寄った日。
食欲があまりないことを母から聞き、食事制限してたわけじゃなく食べれなかったのを知りました。
娘に心配をかけたくなくて、ダイエットしてる風なことを言っていたようです。

帰る時間がやってきて
「また来るね」
と話しながら玄関でブーツを履くのに手間取っていると、
「あのね」
と私の背中に向けて母が切り出し、先週メンタル科を受診したことを伝えられました。

そうなんだ…

大学病院のかかりつけ医の紹介で、メンタル科につないでくれたそうです。
かかりつけ医で行う体重チェックで、前回より4キロ減ったことがわかったのがキッカケでした。
父が亡くなったことを伝えないまま数回受診してた母。
ここではじめて、父が亡くなったこと、食欲がないことを言えたのだそうです。

『うつ』と診断され、早めの治療が必要らしくすぐに服薬がスタートしました。

母とどう接したら良いか

早めの服薬スタートに安心した一方、急に病状を知らされた私はショックを受けていました。
持ち前の明るさで父を亡くした悲しみも乗り越えられるだろう、と私がタカを括っていたのかも知れません。
考えてみれば父と母は高校の同級生で60年以上も前からの知り合いです。

いつかお別れの日が来ると分かっていても、配偶者を亡くす悲しさがどれだけ大きなものか、思いが至りませんでした。

早く治ってほしいと思い改善方法をネットで調べたのですが、どうやら早い回復を望むのは良くない模様。
責めたり、家族の心配な気持ちを伝えるのも避けるべきと書かれていました。

無理に外に連れ出すのもあまり良くなく、まとめると私ができることはあまりなさそうです。
一緒に過ごしたりごはんを食べるのは大丈夫そうなので、なるべく頻繁に実家に顔を出そうと考えています。

「お父さんが死んだときお母さん多分ダメだから、代わりにお前が色々やってな」
と父の生前、まだ病気してない頃ふと言われたことがあります。
おそらく『父が亡くなったときの母の気持ちの落ち込みの強さ』を予想していたと思うと、言い争いは絶えずとも心ではつながってたのかも知れません。

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きく
都内の築40年2世帯住宅でオットと2人暮らし、日常キリトリ漫画を描いています